2023年7月18日に第94期棋聖戦五番勝負第四局が、高島屋(新潟県)で行われました。
藤井聡太棋聖2勝、佐々木大地七段1勝で迎えた第四局。藤井聡太棋聖が勝てば棋聖4連覇達成、佐々木大地七段が勝てばタイになり最終五局にもつれます。
このシリーズは先手番が勝利しています。この流れで佐々木大地七段も勝利したいところです。藤井聡太棋聖はその流れを阻止できるでしょうか。
第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第二局|高島屋(新潟県)2022年6月15日
第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第5局|新潟県の岩室温泉高島屋で対局
第94期棋聖戦五番勝負第四局|高島屋(新潟県)での将棋対局
佐々木大地七段の先手番で始まった第四局。戦型は佐々木大地七段得意の「相掛かり」となりました。
佐々木大地七段の攻めに対し、藤井聡太棋聖も負けずに応戦します。相手の得意戦法に対しても変化球を使わず真っ向勝負するところが藤井聡太棋聖の懐の深さです。むしろ、それを楽しんでいるかのようにも見えます。
互いに均衡のとれた局面で昼食になりました。
藤井聡太棋聖 「旬の毛ガニをたっぷり使ったカニクリームコロッケ~にしかんなないろ野菜のびっくりポテサラ添え~」 ※にしかん=西蒲 新潟の地名です。
佐々木大地七段 「料理長渾身のキーマカレー」
リンク先:日刊スポーツ
個人的には佐々木大地七段が選んだキーマカレーが気になります。
食後もお互い譲らぬまま進んだところで、お互いに飛車取りの場面を迎えます。
佐々木大地七段が飛車を取った手に対し、藤井聡太棋聖は飛車を取らず「と金」を相手の金に当てる一手を指しました。
佐々木大地七段に形勢が良くなる筋があったこの場面。
佐々木大地七段は相手玉を縛り付ける5五桂馬と指しました。
この一手も悪くなさそうでしたが残念ながら最善手ではなく、その一手を読むことができませんでした。
結果的に、と金を払わなかった為藤井聡太棋聖からの9五角という攻防の一手が生まれ、これが決め手となり佐々木大地七段が投了。
藤井聡太棋聖の棋聖戦4連覇となりました。
感想戦にて、勝負の分かれ目となった場面での最善手を両者が指摘されたとき藤井聡太棋聖が「ひえー」とため息をつきました。
つまり藤井聡太棋聖も見えていない筋があったのです。
天才でも見えない最善手があることにも将棋の面白さがわかりますし、それに感服し精進する藤井聡太棋聖の姿に、この方も努力の人なのだと感心する一局でした。