2024年8月19~20日に第65期王位戦七番勝負第三局が、洋々閣(佐賀県)で行われました。
藤井聡太王位の2勝、渡辺明九段の1勝で迎えた第四局。藤井聡太王位が5連覇に向けリーチをかけるか、渡辺明九段が勝利して五分に戻すのか。シーズンを占う一局が始まります。
第65期王位戦七番勝負第四局|洋々閣(佐賀県)での将棋対局
渡辺明九段の先手番で始まった第四局、戦型は矢倉となり囲いを重視した流れになりました。
藤井聡太王位は、急戦の含みを持ちつつ飛車を5筋に移動し、攻撃のバランスを整えます。
一日目 昼食メニュー
藤井聡太王位「太閤穴子丼、字坂あ茶碗蒸し」
渡辺明九段「海鮮丼・ご飯少なめ、サビ抜き」
海鮮丼がとても豪華に見えます。
午後になり渡辺明九段が2筋の歩交換を行うも、5七角の角頭に歩を指されて長考に入ります。
一目8四の1手に見えますが、ここから2時間以上の長考となりそのまま渡辺明九段の封じ手で一日目が終了となりました。
二日目が始まり、藤井聡太王位の仕掛けに渡辺明九段が応じる構えとなります。
渡辺玉の「こびん」攻めや飛車いじめを駆使し少しずつ相手陣形を崩しはじめ、攻撃のリズムがよくなりました。
二日目 午後のおやつ
藤井聡太王位「オレンジジュース」
渡辺明九段「冷やしカヌレいちご味、アップルジュース」
冷やしカヌレのイチゴ味が美味しそう。渡辺明九段はスイーツ選びにセンスがあります。
藤井聡太王位からの飛車金両取りの銀打ち、いわゆる「割打ちの銀」がシンプルに痛い手で、その後の豪快な角切りは藤井聡太王位が優位に立つ最善手でした。
渡辺明九段も敵陣の2二に角打ちで詰めろを作り逆転のまぎれを用意しましたが、ここからの藤井聡太王位の寄せは見事でした。
時刻は18時24分、3八金の局面で渡辺明九段が投了。藤井聡太王位が勝利し、シリーズ王手を掛けました。
渡辺明九段の用意した矢倉での一局でしたが、作戦通り指させなかった藤井聡太王位の完勝譜でした。
これで次局勝利すれば藤井聡太王位がタイトル保持となります。
シリーズ前半は好調を維持していた渡辺明九段。
ここにきて作戦がうまくいかなかったのは痛いところ。
第五局で巻き返せるか、乞うご期待です。