2025年5月4日に第10期叡王戦5番勝負第四局が、ハイアットリージェンシー東京ベイ(千葉県)で行われました。
第三局で伊藤匠叡王が勝利しタイトル防衛に王手を掛けての第四局となります。
このまま伊藤匠叡王が押し切るのか、斎藤慎太郎八段が星を戻して最終局で決まるのか?
熱い戦いが始まります。
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第10期叡王戦5番勝負第四局|ハイアットリージェンシー東京ベイ(千葉県)での将棋対局
斎藤慎太郎八段の先手番で始まりました本局、初手8六歩でなく7六歩とけん制を込めた一手。動揺することなく淡々と進める伊藤匠叡王。
序盤の戦型は角換わり早繰銀となりました。
このシリーズは第三局まで相掛かり対決となっていましたが、斎藤慎太郎八段の作戦でしょうか、ここを勝たなければという執念の作戦に感じ取れます。
着々と互いに駒組みを進める中、お昼休憩となりました。
昼食メニュー
伊藤匠叡王「高知四万十うなぎのうな重、烏龍茶」
斎藤慎太郎八段「高知四万十うなぎのうな重、烏龍茶」
叡王戦中継ブログより
四万十川のうなぎ食べてみたいですね。
互いに歩を突き出してけん制するも開戦とはならず、斎藤慎太郎八段が矢倉、伊藤匠叡王は雁木に組み、互いに玉を入場させます。受けの強い棋士同士の戦いという感じです。
午後のおやつ
伊藤匠叡王「チョコミントケーキ、アイスティー」
斎藤慎太郎八段「ホームパイチョコだらけケーキ(北海道産とうもろこし)、カモミールティー、ホットカフェオレ」
叡王戦中継ブログより
斎藤慎太郎八段が敵陣に角を打ち込み、自陣に引き馬を作り中央に厚みをもたせます。
伊藤匠叡王は飛車を使った攻め筋を見出そうとしますが、斎藤慎太郎八段の自玉傍である9筋の歩を伸ばす鬼手にでます。
これには伊藤匠叡王も意表を突かれたようで、うまく対応できず先手に流れが傾き始めます。
ここから斎藤慎太郎八段の攻撃に勢いが増します。敵玉のコビンに歩を叩く手筋から始まり、銀に桂馬を当てます。伊藤匠叡王は受けの対応を間違えるとあっという間に負けてしまいます。
しかし、受けているだけでは後がなくなると敵陣に踏み込みます。
両者の攻防が続く中、最後に打開したのは斎藤慎太郎八段でした。
終盤、一手も間違えてはいけないところを着実に指しまわし、形勢の開きを戻せないと悟った伊藤匠叡王の投了。斎藤慎太郎八段の勝利となりました。
終わってみれば斎藤慎太郎八段の意表から始まり、先手番ならではの主導権を握り続けた完勝譜とも言えます。
これで互いに2勝ずつ勝ち星を並べ最終の第五局となります。
お互い一歩も引かない素晴らしいタイトル戦も次で終わるのはもったいない気がしますが、最終局の期待値はあがるばかりです。