2023年9月27日に第71期王座戦五番勝負第三局が、名古屋マリオットアソシアホテルで行われました。
永瀬拓矢王座、藤井聡太竜王・名人がそれぞれ1勝しての第三局。ここを勝ったほうがタイトル王手となります。
お互い研究仲間なので手の内は知り尽くしてのこのシリーズ。果たしてそんな棋譜になるでしょうか楽しみです。
第71期王座戦五番勝負第三局|名古屋マリオットアソシアホテル(愛知県)での将棋対局
藤井聡太竜王・名人の先手番で始まった第三局、先手番の舟囲いに対し後手番の永瀬拓矢王座は雁木囲いで対抗します。
序盤から互いの歩が当たり鍔迫り合いが始まっています。
歩交換が行われ、互いに持ち駒に2枚の歩を保持したところで昼食休憩です。
盤面は、攻めの永瀬拓矢王座に対し藤井聡太竜王・名人が受けて立つように見えます。
昼食メニュー
永瀬拓矢王座「三河一色産うなぎのひつまぶし御膳、オレンジジュース、フルーツの盛り合わせ」日刊スポーツより
やはり名古屋と言えば「ひつまぶし」ですね。美味しそうです。
藤井聡太竜王・名人「あいち牛のハヤシライス名古屋コーチンの卵のオムレツのせ、アイスティー」日刊スポーツより
これも名古屋名物である「名古屋コーチン」。食が進みそうです。
昼食後、永瀬拓矢王座が動きます。9筋の位を取っていることを利用し端攻めします。
お手本のような永瀬拓矢王座の端攻めは勉強になります。
それによって手にした香車を歩の裏に打ち込み、藤井玉の守りにプレッシャーを掛けます。
流れは永瀬拓矢王座。小気味よく攻撃を仕掛け、優勢を築きあげますが、藤井聡太竜王・名人の飛車打ちで戦況は一変します。
3一に歩で「金底の歩」が第一感。いわゆる守りの手筋ですが、永瀬拓矢王座は飛車を合い駒にして守りました。
ここから藤井聡太竜王・名人が息を吹き返します。金の両取りから相手の守りを崩していき、遂に優勢。永瀬拓矢王座も急所に桂馬を打ちますが、持ち駒で藤井玉を追い詰めることができず、20時32分に投了。
藤井聡太竜王・名人の勝利となりました。
まさに一手で戦況が変わってしまう将棋の怖さが出た一局となりました。
素人目にはわからない一手でも、プロの対局では致命的なことも起こります。
ただ、それを見逃さず手繰り寄せた優位を渡さない藤井聡太竜王・名人の強さが際立ちました。
ただ、永瀬拓矢王座も途中まで勝利の流れでした。
第四局は藤井聡太竜王・名人のタイトル王手となりますが、どちらが勝つかはまったくわからない面白い一戦になりそうです。