2025年6月18日に第96期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第二局が、ホテルニューアワジ(兵庫県)で行われました。
第一局を制した藤井聡太棋聖の1勝で迎える第二局です。
タイトル戦初挑戦と思えぬ差し回しであと一歩まで迫った杉本和陽六段。
後手番ながらどのような作戦で王者に挑むのでしょうか?
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第96期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第二局|ホテルニューアワジ(兵庫県)での将棋対局
藤井聡太棋聖の先手番で始まりました第二局、戦型は居飛車対四間飛車の対抗系となりました。
意表を突くような作戦でなく、どちらかというとオーソドックスな四間飛車美濃囲いを採用した杉本和陽六段。中盤以降で作戦があるのでしょうか?
4筋から3筋に飛車を展開して揺さぶりを掛けるのは、振り飛車党の常套手段。
三間飛車の手筋は藤井聡太棋聖も織り込み済みで、危なげなく受けてから反撃に出ます。
銀を転換し9筋から攻撃を仕掛けたのが受けづらい差し回しで、端に拠点を作って優位性をアピールしたところで昼食休憩に入りました。
昼食メニュー
藤井聡太棋聖「足赤海老の天婦羅ぬーどる、玉ねぎのかき揚げ天」
杉本和陽六段「淡路牛ステーキピラフ、淡路島手延べそうめんのハーフサイズ」
淡路牛ステーキピラフが気になります。
休憩後も少しずつ藤井聡太棋聖が盤上を支配します。
あたかも四間飛車はどんな作戦でも研究済みですと言われているかのように、杉本和陽六段も指し手に困り、1筋の今日を1マス上げるような、後手番で手を預ける形にさせられているのはツライところです。
午後のおやつ
藤井聡太棋聖「淡路 平岡農園の天然果汁100%まんまみかんのジュース」
杉本和陽六段「淡路島産ビワのコンポートと匠 淡路島牛乳のバニラアイス、カツサンド、アイスレモンティー」
杉本和陽六段の食べて気合を入れる感じ、好きですね。
すべての駒が躍動している藤井聡太棋聖に対し、窮屈な戦型で苦戦を強いられている杉本和陽六段。
打開しようと振り飛車党らしく相手の飛車に飛車を当てて打開を試みます。
竜を作って反撃と行きたいところですが、金底に香車を打ち万全の竜対策を講じた藤井聡太棋聖の手は、相手にとってとても辛い手です。
9筋に歩を叩き何とか紛れを作ろうとする杉本和陽六段ですが、きっかけがつかめません。
怒涛の攻撃をなんとか凌ごうとしますが、桂頭に狙いを定めた6六桂馬打ちが急所を突いたとどめの一撃。
まだ詰みではないものの、形勢が広がりすぎて勝ちの見込みがないと踏んだ杉本和陽六段の投了。
87手で藤井聡太棋聖の勝利となりました。
第一局の熱戦とは裏腹に、本局は先手番王者の圧勝ともいうべき快勝譜でした。
まさに、後手番に何もさせてあげない指しまわしは、相手の自信を削ぐには十分でしょう。
これで藤井聡太棋聖の2連勝でタイトル防衛王手が掛かりました。
この流れも予想できたものとはいえ、ここで一矢報いたい杉本和陽六段。
得俵まで追い込まれた振り飛車党の、とっておきの作戦に期待したいですね。
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