2025年2月15~16日に第74期ALSOK杯王将戦七番勝負第四局が、摂津峡花の里温泉山水館(大阪府)で行われました。
第三局まで藤井聡太王将の3勝となっているこのシリーズ。一局毎の内容は互角ですが結果的に藤井聡太王将の終盤力を見せつけるものになっています。
永瀬拓矢九段はここから4連勝は現実的でないのは承知の上でしょうが、一矢報いたいのは間違いないでしょう。
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第74期ALSOK杯王将戦七番勝負第四局|摂津峡花の里温泉山水館(大阪府)での将棋対局
藤井聡太王将の先手番で始まりました第四局、高勝率を誇る角換わりを採用しました。
もちろん、永瀬拓矢九段も想定の範囲内で、腰掛銀に構えたのは研究とみて良いでしょう。
結果的に相腰掛銀の戦型になって、互いに右の桂馬を跳ね同形の駒組みで進みます。
一日目 昼食メニュー
藤井聡太王将「煮ぼうとう・とろろご飯」
永瀬拓矢九段「深谷ねぎカレーやきそば」
互いにとろろご飯を採用した昼食で長期戦に備えます。
攻め手の糸口を探す藤井聡太王将、その糸口を受けつつ、反撃の頃合いを探す永瀬拓矢九段という流れのまま一日目が終わります。
二日目に入り、飛車を狙われる藤井聡太王将は銀との交換で飛車を切ります。
テンポよく攻めている藤井聡太王将ですが、要所を抑える永瀬拓矢九段の受けが光ります。
二日目 午前のおやつ
藤井聡太王将「和菓子”秀吉”とリンゴジュース」
永瀬拓矢九段「あまおうタルト、ブラッドオレンジソーダ、ホットミントティー」
あまおうタルトは赤の彩りが良いですね。
あの手この手で永瀬玉を追い詰める藤井聡太王将ですが、この日は永瀬拓矢九段の受けが冴えわたります。
素人目で詰まされそうな盤面も、ギリギリの見切りで守り抜き反撃に出ます。
これが竜の攻めから自陣の角の活用までの流れが見事で、圧巻の詰め筋となり藤井聡太王将の投了。
永瀬拓矢九段の勝利となりました。
藤井聡太王将に対して後手番の角換わりというデータだけで見れば、圧倒的不利な状況も持ち前の受けの強さをここ一番で発揮した永瀬拓矢九段の完勝譜とも言える内容でした。
これで勝ち星を一つ返したものの、相変わらず藤井聡太王将の優位は揺らぎませんが、第五局に何かが起これば流れが変わるかもしれませんね。