2024年1月20~21日に第73期王将戦七番勝負第二局が、大幸園(佐賀県)で行われました。
第一局を制したのは藤井聡太王将。相穴熊での勝利でした。
どんな戦型でも受けて立つ王将に、菅井竜也八段はどんな戦型で挑むのでしょうか。
第73期王将戦七番勝負第二局|大幸園(佐賀県)での将棋対局
藤井聡太王将の先手番で始まった第二局。不動の居飛車の藤井聡太王将に対し、菅井竜也八段は今回も三間飛車で挑みます。
第一局では穴熊に囲いましたが今回は手数の少ない「美濃囲い」を選択。素早く攻撃の駒組を進めていきます。
対する先手番の藤井聡太王将は第一局同様穴熊を採用します。
屈強な守りを形勢してから優位を築く作戦です。攻め合いになれば穴熊が有利となるので、菅井竜也八段も攻撃のきっかけがほしいところです。
一日目の昼食
藤井聡太王将「陶板ハンバーグ、アイスコーヒー」
菅井竜也八段「国産うなぎの蒲焼き丼」
ハンバーグも鰻も惹かれます。
7筋の歩取りを成功させた藤井聡太王将に対し、菅井竜也八段も桂馬を跳ね攻撃に備えて一日目が終了。
二日目に入り、桂馬を牽制した角の展開が藤井聡太王将の工夫で相手の攻撃を抑えます。
8七に銀を立たせて銀冠穴熊とし守りの幅を持たせたのも藤井聡太王将の大局観の良さ。
お互いに大駒が成り展開が激しくなってきますが、穴熊の堅さからか藤井聡太王将の優位が築かれていきます。
二日目のおやつ(午前)
藤井聡太王将「クリームブリュレとアイスレモンティー」
菅井竜也八段「佐賀みかんジュース」
それぞれのおやつに王将の駒のクッキーやチョコが添えられています。
自陣に金銀を使っている藤井聡太王将は、と金を利用して相手の囲いを崩すのが狙い。
実際それを間に合わせる差し回しには圧巻です。
菅井竜也八段も攻撃に出たいのですが、自陣の守りで手一杯になります。
相手の竜を凌げば光が見えてくるのですが、藤井聡太王将の捌きに対応できません。
結果、鋭い差し回しからの寄せに対応できず菅井竜也八段の投了。
藤井聡太王将の2連勝となりました。
後手番ながら三間飛車美濃囲いで挑んだ菅井竜也八段でしたが、囲いの弱さが最後出てしまいました。
2戦連続で三間飛車でしたが次戦は違う振り飛車を見せるか、3度目の正直で挑むのか。
どんな戦型でも受けて立つ藤井聡太王将。
今回も王者ならぬ、王将ならではの風格を見せていただいた一局でした。