2025年7月15~16日にお~いお茶杯第66期王位戦7番勝負第二局が、中の坊瑞苑(兵庫県)で行われました。
開幕局は千日手指し直しとなった結果、藤井聡太王位が勝利しました。
先手番で千日手とうまくいかなかった永瀬拓矢九段、後手番でどのような作戦を用意しているのか楽しみです。
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お~いお茶杯第66期王位戦7番勝負第二局|中の坊瑞苑(兵庫県)での将棋対局
藤井聡太王位の先手番で始まりました本局、戦型は角換わりからの腰掛け銀となりました。
第一局に続き、角換わりシリーズになるのでしょうか?
前例を交えた進行になる中、いつも通り慎重に指す藤井聡太王位と持ち時間をほとんど使わず指す永瀬拓矢九段という構図です。
自陣の駒組みを進める中、藤井聡太王位が金と桂頭に効かせる角打ちをすれば、永瀬拓矢九段も5二に角を打ち両受けします。
一日目昼食メニュー
藤井聡太王位「神戸牛すき鍋膳」
永瀬拓矢九段「神戸牛肉うどん膳の大盛り」
おたがい神戸牛尽くしで堪能されました。
二日制ながら、研究がすすむ角換わりなので盤面は中盤戦に差し掛かっています。
相変わらず持ち時間を消費させず研究の範囲内とばかりの指しまわしの永瀬拓矢九段、午後には持ち時間の差が3時間にもなりました。
歩成りからの流れで角を取ったところで永瀬拓矢九段の長考が始まりました。
結局30分のアドバンテージまで短くなったところで封じ手となりました。
二日目になり互いに攻撃的な指しまわしとなり激しい展開が続きます。
二日目午後のおやつ
藤井聡太王位「有馬天然サイダー、マンゴージュース」
永瀬拓矢九段「カルマ、フルーツケーキ、白玉ぜんざい、マンゴージュース、パインジュース、アイスミルクティー」
なんと永瀬拓矢九段は二日目午前のおやつまでに頼んだメニューすべて再注文です!
終盤戦の一進一退の攻防の中、藤井聡太王位に飛車を取られてから怒涛の猛攻を仕掛ける永瀬拓矢九段。
しかし、王手を続けても詰まないことを両者が悟ったのでしょうか、永瀬拓矢九段は首を傾け、藤井聡太王位は読み切った慎重で淡々な指しまわし。
最終的にあと一歩まで追い詰めますが、持ち駒が歩しかなく、いわゆる「打ち歩詰め」で勝てない状態で永瀬拓矢九段の投了。藤井聡太王位の勝利となりました。
結果だけ見ると先手番で圧倒的な勝率を誇る藤井聡太王位の、順当な勝ちにも見えますが
内容は研究の深さを誇る永瀬拓矢九段の研究が序盤はハマり、持ち時間でも差ができてしまいました。
しかし、要所で間違えないし、相手の研究にもその場でそれを上回る指し手を披露する藤井聡太王位。
このシリーズも2連勝としました。このまま安定の強さで勝ち進むのか、永瀬拓矢九段の巻き返しがあるのか。
第三局が楽しみです。