2025年8月19〜20日にお〜いお茶杯第66期王位戦7番勝負第四局が、宗像ユリックス(福岡県)で行われました。
ここまで藤井聡太王位の3勝とワンサイドな結果になっています。もちろんここを勝てばタイトル防衛の藤井聡太王位に対し、まず1勝を挙げたい永瀬拓矢九段。
果たしてどのような結果になるでしょうか。
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お~いお茶杯第66期王位戦7番勝負第四局|宗像ユリックス(福岡県)での将棋対局
藤井聡太王位の先手番で始まりました本局、戦型は藤井聡太王位得意な角換わり腰掛け銀となりました。
高勝率を誇る戦型に受けて立った永瀬拓矢九段は、間違いなく自信ある研究をぶつけてくることが予想されます。
お互い研究し尽くしているだけあって、1時間で50手進むほどハイペースで進みます。
ここで11時半過ぎに対局室に音声が流れるトラブルが発生。
関係者の協議で早めの昼食となりました。
一日目昼食メニュー
藤井聡太王位「むなかた牛の炭焼きハンバーグと宗像野菜の蒸籠蒸し、ウーロン茶(冷)」
永瀬拓矢九段「ねばねば海鮮丼 缶べぇ、宗像牛チーズバーガー」
永瀬拓矢九段の頼み方は、もはや食いしん坊ですよね(良い意味で)。
藤井聡太王位の早い仕掛けから戦いが始まりますが、永瀬拓矢九段の9二に打った角で藤井聡太王位が長考します。
遠見の角の好手ありで、ここを封じるべきと左辺を制圧しようとする藤井聡太王位。
そうはさせじと上手くいなす永瀬拓矢九段の封じ手で一日目が終わります。
二日目に入り、永瀬拓矢九段も反撃に出ます。8二に飛車打ちされ角金両取りとされましたが4七角成りとして角を切り、そのまま攻めに転じます。
7四桂馬、6六角打ちと飛び駒を有効活用し相手玉頭にプレッシャーを掛け続け、藤井聡太王位は防戦一方です。
二日目午後のおやつ
藤井聡太王位「鎮国饅頭、ウーロン茶(温)、甘夏サイダー」
永瀬拓矢九段「白いバウムクーヘンキャレブランシュ、りんごジュース、甘夏サイダー」
甘夏サイダーが時期に合ったさっぱりジュースですね。
夕方になり終盤戦に突入、紛れの多そうな盤面の中、やはり藤井聡太王位が優位に立つのでしょうか。
しかし今回の主役は永瀬拓矢九段でした。竜を作ってから駒が躍動します。
自陣が攻められても紙一重で見切ったあとの攻めが見事でした。
角頭に玉が逃げられましたが、角の後ろに香車を打ったのが妙手で非常に受けにくいです。
自玉の詰みを認めた藤井聡太王位が投了、130手で永瀬拓矢九段の勝利となりました。
今シリーズ初勝利となった永瀬拓矢九段。中終盤で危うい場面が何度もありましたが、永瀬流の受けで凌ぎきって反撃、見事な勝利でした。
なにより時間差40分を残しての勝利は、研究が実った結果と言えます。
第五局は永瀬拓矢九段の先手番になりますので、ここも勝利して踏みとどまりたいところ。
ただ後手番でも無類の強さを誇る藤井聡太王位。研究も受けて立つでしょう。
さあ、第五局も大熱戦に期待しましょう。
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