2023年10月25~26日に第36期竜王戦七番勝負第三局が、旧安川邸(福岡県)で行われました。
第二局も藤井聡太竜王の貫録勝ちで2連勝。なかなか二日制の将棋に慣れないのと藤井聡太竜王の指し回しに後手を踏んでいる伊藤匠七段。ここで巻き返すことができるでしょうか。
第36期竜王戦七番勝負第三局|旧安川邸(福岡県)での将棋対局
伊藤匠七段の先手番で始まった第三局。本局は「相掛かり」で始まりました。
角換わりなどと違い力戦になりやすい相掛かりで、お互い序盤から時間を使います。
伊藤匠七段が「棒銀」を使い飛車先を攻撃の目標としたのに対し、藤井聡太竜王は歩を有効活用し、相手の仕掛けを捌く狙いでした。
お互い牽制しあって1日目が終わります。
一日目の昼食
藤井聡太竜王「北の海鮮バターライスっちゃ」
伊藤匠七段「海老香る 関門地ダコの冷静にゅうめん」
中日スポーツより
封じ手が開封され二日目が始まりました。
ここから藤井聡太竜王の指し回しが光る展開になりました。
伊藤匠七段の棒銀をうまくいなして、2筋に飛車を展開したのが戦型を大きく変えました。
あえて2筋を止めず技を繰り出す伊藤匠七段でしたが、これをうまくかわして相手陣に竜を成れた事で優勢を築きました。
持ち駒の角を5九に打ったのも好手で相手陣形が崩れた瞬間でした。
ここから伊藤匠七段も手厚い攻撃を仕掛けますが、紙一重でこれを受けきり、最後は藤井聡太竜王の反撃の手が緩まず18時21分に伊藤匠七段の投了によって勝負が決しました。
これで藤井聡太竜王の3連勝となり防衛王手となりました。
今回の先手番で何とか勝ち星を取りたかった伊藤匠七段でしたが、藤井聡太竜王の壁は厚いようです。
タイトル戦勝率100%の藤井聡太竜王にここから巻き返すのは至難の業ですが、伊藤匠七段には是非とも意地を見せてもらいたいです。