2024年7月30~31日に第65期王位戦七番勝負第三局が、渭水苑(徳島県)で行われました。
藤井聡太王位、渡辺明九段共に1勝ずつで迎えた第三局。シリーズの流れを左右する一番はどちらに軍配が挙がるでしょうか!?
第65期王位戦七番勝負第三局|渭水苑(徳島県)での将棋対局
藤井聡太王位の先手番で始まりました第三局、戦型は藤井聡太王位の得意な「角換わり」になりました。
定跡が浸透している戦型ながら、渡辺明九段の7筋の歩を突き出したところで、藤井聡太王位の長考となり昼食休憩となります。
一日目 昼食メニュー
藤井聡太王位「松花堂弁当」
渡辺明九段「鉄火丼(ごはん少なめ、わさび抜き)、赤だし、香物」
マグロで覆いつくされた鉄火丼がおいしそうです。
3時間10分の長考を経て、7五同歩としました。藤井聡太王位の長考最長記録です。
素人目に同歩はノータイムで指す手ですが、3時間以上も考えたのは渡辺明九段の用意した戦略勝ちでしょうか。
お互いけん制しつつ持ち時間は3時間の差のまま、渡辺明九段が封じ手を宣言し一日目が終了しました。
二日目に入り、藤井聡太王位が攻撃に転じます。飛車で先陣を切ります。
二日目 午前のおやつ
藤井聡太王位「季節のフルーツとアイスレモンティー」
渡辺明九段「チーズケーキとアイスコーヒー」
彩り豊かなフルーツが心を落ち着かせます。
持ち時間が1時間差まで縮まってきました。互いに攻撃の糸口を探していきます。
藤井聡太王位が二1に飛車打ちし攻め合いの幕開けです。
ここからお互いの玉の寄せ合いに転じ、詰めろの掛け合いとなりました。
一進一退の攻防の末、最後は角の開き大手の手筋から渡辺明九段の投了。
藤井聡太王位が勝利しシリーズ2勝目となりました。
途中までは持ち時間も形勢も、渡辺明九段の優位かと思われましたが、終盤力の強さを発揮した藤井聡太王位が一枚上手でした。
一歩リードした藤井聡太王位が優位になりましたが、シリーズ調子のいい渡辺明九段の巻き返しにも期待できます。