2025年8月26〜27日にお〜いお茶杯第66期王位戦7番勝負第五局が、渭水苑(徳島県)で行われました。
藤井聡太王位の3連勝から永瀬拓矢九段が1勝する展開となっている今シリーズ、相変わらず防衛の色が強いですが、永瀬拓矢九段の研究がどこまで通用する噛み応え十分の一局になるでしょうか。
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お~いお茶杯第66期王位戦7番勝負第五局|渭水苑(徳島県)での将棋対局
永瀬拓矢九段の先手番で始まりました本局、戦型はお馴染みの角換わりからの腰掛け銀を採用したのは永瀬拓矢九段。
相腰掛け銀にせず5筋に歩を伸ばした藤井聡太王位。
腰掛け銀から穴熊に組む永瀬拓矢九段に対し、組ませる前に銀を繰り出し陣形を乱します。
早い展開が続く中、9筋の歩を伸ばしたところで昼食となりました。
一日目昼食メニュー
藤井聡太王位「松花堂弁当、小鉢(甘長焼浸し、フィッシュカツ)」
永瀬拓矢九段「鉄火丼、小鉢(半田そうめん、しらすおろし、ポテトサラダ)、アイスコーヒー、ホットコーヒー」
メインメニューより、永瀬拓矢九段のホットとアイスコーヒーを頼む理由が知りたいです。
右辺の攻防が始まり、早くに飛車成りを成功させた勢いで3一に角打ちして、駒得から光速の寄せを目指します。
対する藤井聡太王位も1三に角を打ち、攻防に効かせた一手で凌ごうとします。
ここで永瀬拓矢九段が封じ手となり、一日目が終了しました。
二日目、永瀬拓矢九段の封じ手は金を剥がした竜切りでした。
右辺の攻撃を付き合っていると、いずれこじ開けられそうだった藤井聡太王位は、相手穴熊に攻め立てます。
相手の7筋の継ぎ歩の勢いに乗じ、8筋にと金を作りプレッシャーを掛けます。
永瀬拓矢九段もカウンターで相手玉頭に歩を伸ばします。
二日目午後のおやつ
藤井聡太王位「オレンジジュース」
永瀬拓矢九段「季節の和菓子と抹茶、ショートケーキとホットコーヒー、ホットティー」
勝負とは別に、ご当地のメニューを堪能する永瀬拓矢九段に共感できます。
永瀬拓矢九段が玉頭の桂馬を取り、と金で王手を掛けて寄せに入ります。
そのあとの7一銀打ちが、飛車取りと玉の逃げ道を封鎖する寄せの手筋で、角筋だが竜の効きで身動きが取れません。
攻めても詰ませられず、詰めろから逃れられない事を悟った藤井聡太王位の投了。
永瀬拓矢九段の勝利でシリーズ2勝目となりました。
この両者の戦いでは珍しく、早めの攻め合いとなり手数も91手と比較的少ない手数での決着となりました。
勝因として、シリーズ通して永瀬拓矢九段の研究が行き届き、中盤までは五分か優位を築く展開に持っていき、今回はそのまま押し切った形でした。
これで藤井聡太王位3勝、永瀬拓矢九段2勝と星が1つ差になり面白くなってきました。
相変わらず次勝てば防衛ですが、第六局を永瀬拓矢九段が制したら、本当にわからなくなります。
次局も、本局同様熱戦が補償されること確実です。
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