2023年11月10~11日に第36期竜王戦七番勝負第四局が、銀麟荘(北海道)で行われました。
藤井聡太竜王の3連勝で迎える第四局、ここを勝てば竜王防衛です。後がない伊藤匠七段ですが、何としてでも1勝をあげたいところ。どんな将棋になるか注目です。
第36期竜王戦七番勝負第四局|銀麟荘(北海道)での将棋対局
渡辺明九段の立ち合いではじまりました第四局、藤井竜王の先手番で「角換わり・腰掛け銀」の戦型になりました。
藤井玉が盤面右側に囲う野に対し、伊藤匠七段は5二玉とし「中住まい」でバランス重視の陣形から「右玉」とし牽制します。お互いの深い研究のぶつかり合いで、比較的早い指し回しとなりました。
ここからお互い攻めの打開をするべく細かい仕掛けが始まりました。
研究から外れだしたのか、互いに長考になりました。
一日目の昼食
藤井聡太竜王「真狩産ポロ葱とユリ根の海の幸グラタン、アイスティー」
伊藤匠七段「握り寿司、緑茶(ホット)」
お互い北海道の海鮮を楽しめるメニューです。
個人的にはお寿司が食べてみたいですね。
均衡した流れの中、藤井聡太竜王が1四に角打ちしたのが巧い仕掛けで、飛車角交換から金を奪取し敵陣に侵入成功します。
二日目に入り、伊藤匠七段も藤井玉にプレッシャーを掛ける銀打ちで対抗しますが、藤井聡太竜王も金打ちの手厚い受けで形勢を崩しません。
後がない伊藤匠七段は守勢になっては勝ち目が無いと察し、怒涛の攻撃を始めます。
二日目午前10時のおやつ
藤井聡太竜王「塩バター大福、ほうじ茶、アイスコーヒー」
伊藤匠七段「完熟カボチャのこちそうプリン、アイスティー」
藤井聡太竜王が選んだ塩バター大福は「お菓子のふじい(俱知安(くっちゃん)町)」の人気商品だそうです。
これは人気出そうなスイーツです。
伊藤匠七段の攻めに一見守勢に見える藤井玉ですが、最善の受け、敢えて「と金」を作らせても玉を逃がす優位を見切る大局観が光ります。
自玉が安全になってからの攻めは見事でした。
最後は37手詰めを見切った藤井聡太竜王が寄せ切り、伊藤匠七段が投了。
シリーズ4連勝で竜王3連覇達成となりました。
結果も内容も伊藤匠七段を圧倒したシリーズでした。盤石とはこの事でしょう。
伊藤匠七段は初めてのタイトル挑戦でした。不慣れな部分もありましたが相手が強すぎました。
しかし、現タイトルは藤井聡太竜王・名人が独占している状態です。
タイトル奪取にはこの方を負かさないといけません。
今回の経験が、きっと伊藤匠七段がさらなる高みに上る糧となるはずです。
またタイトル挑戦していただきたいです。