2024年3月3日に第49期棋王戦五番勝負第三局が、新潟グランドホテル(石川県)で行われました。
藤井聡太棋王の1勝1引き分けで迎えた第三局。ここで勝利し藤井聡太棋王がシリーズ王手をかけるか、伊藤匠七段が踏ん張りタイに戻すか。シリーズの流れを決める一戦となりそうです。
第49期棋王戦五番勝負第三局|<新潟グランドホテル(新潟県)>での将棋対局
藤井聡太棋王の先手番で始まった本局。シリーズ定番とも言える角換わりの戦型となりました。お互い5筋の歩先に銀を配置する「腰掛け銀」となり様子をうかがう展開になっています。
43手までお互いが持ち時間を殆ど使わずに駒組を進めます。これも定跡です。
ここから伊藤匠七段の長考が続きます。角換わりの後手番では定跡どおりに進めると不利なのは分かっていますので慎重にならざるを得ません。
昼食メニュー
藤井聡太棋王「慶楽味わいランチとウーロン茶」
伊藤匠七段「海の幸重と緑茶」
どれも美味しそうですが、個人的には伊藤匠七段が注文した海の幸重の華やかさに惹かれますね。
昼食後は、先手番である藤井聡太棋王が定跡から外した妙手を連発し、伊藤匠七段が長考する流れとなります。
午後のおやつ
藤井聡太棋王「黒ごまプリンとアイスレモンティー」
伊藤匠七段「黒ごまプリンとアイスティー」
両者お選びになった「黒ごまプリン」。これは食べてみたいですね!
伊藤匠七段が馬を作り相手陣に牽制しますが、1筋に追いやり入手。思い通りにさせない藤井聡太棋王の指し回しが光ります。
それでも伊藤匠七段は活路を見出そうと、と金攻めを試みます。
しかし藤井聡太棋王は5筋の玉頭に狙いを定め、香桂で力を溜めます。
そこからの寄せが見事で、伊藤匠七段も成す術無し。
18時53分投了となり藤井聡太棋王が連勝しシリーズ王手となりました。
本局、伊藤匠七段が後手番ながらチャンスがあるかと思いましたが、結果的に藤井曲線を描き危なげなく勝利したのは王者の威厳をまじまじと感じました。
第4局で藤井聡太棋王が勝利すればシリーズ防衛です。
まだ藤井聡太棋王に勝てていない伊藤匠七段が先手番でどのような策を練ってくるか、とても見ものです!