2025年2月2日に第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第一局が、文化プラザかるぽーと(高知県)で行われました。
棋王戦2連覇防衛の藤井聡太棋王に対し、タイトル戦初挑戦の増田康宏八段とのシリーズが開幕です。
2025年度からA級になった増田康宏八段の実力は折り紙付き。タイトル戦にいつ出てもおかしくなかった棋士です。
絶対王者の藤井聡太棋王にどのような作戦で挑むのでしょうか!?
第50期棋王戦コナミグループ杯五番勝負第一局|文化プラザかるぽーと(高知県)での将棋対局
振り駒の結果、藤井聡太棋王の先手番となった第一局、戦型は角換わりとなりました。
増田康宏八段が9筋の端歩を突いたところから前例を離れ、互いに腰掛銀とじっくりした展開になります。
藤井聡太棋王は4五まで桂馬を跳ねてからの天王山の5五に角打ちで仕掛けます。
ここをしっかり受けきらないと、たちまち劣勢になってしまうので、増田康宏八段も慎重になります。
昼食メニュー
藤井聡太棋王「ビーフカレー、山北みかんジュース」
増田康宏八段「土佐あかうしローストビーフ重、リープル(乳酸菌飲料)」
高知県民のソウルフードと言われる『リープル』が気になります。
昼食後は中盤のねじりあいとなり、どちらが主導権を握るかの駆け引きが続きます。
角の睨みを使い玉頭に狙いを定める藤井聡太棋王に対し、8筋から飛車を使い打開を図る増田康宏八段。
桂得を主張し攻勢にかかるきっかけをつかむ増田康宏八段をどうとがめようかというところで午後のおやつとなりました。
午後のおやつ
藤井聡太棋王「窯出しチーズケーキ、ごっくん馬路村」
増田康宏八段「”ぼくらはみんないきている”(まんじゅう)、土佐文旦クリームチーズタルト、土佐山ジンジャーエール辛口」
どちらも、これぞご当地というスイーツです。
タイトル戦初挑戦と思えぬ伸び伸びとした指しまわしの増田康宏八段に、慎重な受けで対応する藤井聡太棋王の構図も、互いの持ち時間が無くなってきたあたりから変わってきます。
一瞬の隙から切れ味鋭い桂打ちを見せ、あっという間に増田玉を寄せきり、127手で終局した本局は藤井聡太棋王に軍配が上がりました。
後手番ながら、用意したであろう作戦をぶつけ、藤井聡太棋王に本来の曲線を描かせなかったのは勢いのある増田康宏八段の本領発揮といったところでしたが、いつものように時間がなくなったところでの終盤のせめぎあいは十八番の藤井聡太棋王。
結果的に貫録勝ちを収めましたが、可能性を感じさせる増田康宏八段の立ち回りに第二局も期待が膨らみます。