2024年4月7日に第9期叡王戦五番勝負第一局が、か茂免(愛知県)で行われました。
このシリーズの挑戦者も、もはや挑戦者の常連になりつつある伊藤匠七段。
これまで藤井聡太叡王の壁にぶつかりもがいでいますが、そろそろ1勝を挙げたいところ。
今後の将棋界の情勢を左右する戦いになるかもしれません。
第9期叡王戦五番勝負第一局|か茂免(愛知県)での将棋対局
絶対王者の藤井聡太叡王に挑む伊藤匠七段となる叡王戦五番勝負第一局。振り駒の結果、藤井聡太叡王が先手番となりました。
戦型はおなじみ角換わり腰掛け銀。序盤は素人でも覚えられるくらい見慣れた手順で進んでいきます。
対する伊藤匠七段は角換わりを受ける形となりましたが、一度左辺に移動させようとした玉を右辺に切り替えて右玉となりました。
これは藤井聡太叡王の攻撃の駒組を牽制する狙いがあります。
しかし藤井聡太叡王も下段飛車を5筋から6筋に切り替えるなど、相手へ揺さぶりをかけて敵陣の乱れを誘います。
昼食メニュー
藤井聡太叡王、伊藤匠七段共に
「名物ぽんきし膳ーきしめんすっぽんスープ仕立て」
日刊スポーツより
両者昼食の思惑が一致しました。すっぽんパワーを発揮するのはどちらでしょうか。
ここから両者攻撃の手がかりをつかむべく仕掛けていきます。
藤井聡太叡王が飛車を自在に扱えば、伊藤匠七段は相手の玉頭に狙いを定めます。
午後のおやつ
藤井聡太叡王「ペコちゃんのほっぺ(ミルキークリーム)、アップルジュース」
伊藤匠七段「プレミアム濃い抹茶のケーキ(鹿児島県産一番茶抹茶使用)、アイスティー」
個人的に抹茶ケーキに惹かれます。
終盤に差し掛かるところでお互い手持ちの角を敵陣深くに打ち込みます。
ここで伊藤匠七段が金取りの角打ちでしたが、それを自重し5筋の銀を奪取します。
結果この手が緩手となり、飛車で角を取られ守りに効く形となりました。
そのあとは、絶妙な飛車切りからの寄せで攻守に見込みが無くなり、17時58分伊藤匠七段が投了。
藤井聡太叡王が開幕戦を勝利しました。
このカードでは未だに伊藤匠七段が持将棋での引き分け以外、すべて敗戦しています。
今回も同じ光景となりました。
ワンサイドゲームにはなっていませんが、一手の緩手を見逃さず流れを引き寄せる藤井聡太叡王の強さが際立ちました。
第二局は伊藤匠七段の先手番。対藤井聡太叡王へ初勝利を挙げられるか、連勝して藤井聡太叡王がタイトル戦王手をかけるのか。
次戦が楽しみです。