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第10期叡王戦5番勝負第五局|柏の葉カンファレンスセンター(千葉県)6月14日

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2025年6月14日に第10期叡王戦5番勝負第五局が、柏の葉カンファレンスセンター(千葉県)で行われました。

第四局を終えて共に2勝ずつ上げての天王山。研究科で終盤力と共通項のある二人なので、この結果は予想通りとも言えます。

タイトル防衛か、叡王初制覇か、運命の第五局の始まりです。

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第10期叡王戦5番勝負第五局|柏の葉カンファレンスセンター(千葉県)での将棋対局

振り駒の結果、斎藤慎太郎八段の先手番となりました本局、戦型は相掛かりとなりました。

お互い飛車先の歩交換からの角交換を行います。

展開的には歩得を主張する斎藤慎太郎八段に、駒組みを主張する伊藤匠叡王といったあたりでしょうか。

銀取りで飛車を浮かせた伊藤匠叡王の手で昼食となります。

昼食メニュー

伊藤匠叡王「ポークカレー、アイスティー」

斎藤慎太郎八段「ポークカレー、ミネラルウォーター」

叡王戦中継ブログより

棋譜同様息の合ったメニュー選びになっています。

本局が最終局なので、どちらも慎重な指しまわしです。激しい手順も候補に上がる中、堅実な一手一手が続きます。

先に伊藤匠叡王が仕掛けます。3三に桂馬を跳ねたのが積極的な一手で、すぐに開戦と言うわけではないですが、戦いが始まれば即攻撃参加する表れの一手です。

それに対し、思うような指し手をやらせないよう咎めた手を放つ斎藤慎太郎八段。

局面は中盤戦に突入しています。

午後のおやつ

伊藤匠叡王「フルーツミルクレープ、アイスティー」

斎藤慎太郎八段「クリームあんみつ、アップルジュース、アイスレモンティー」

叡王戦中継ブログより

両者のデザートは、心を落ち着かせる美味しそうなスイーツです。

午後のおやつの後、局面が大きく動きます。

斎藤慎太郎八段が角を切って敵陣を上ずらせたのに対し、伊藤匠叡王が飛車切りの飛車銀交換を行います。

ここでAIの形勢判断は斎藤慎太郎八段優位に傾きます。敵陣に角を打ち込んでプレッシャーを掛ける狙いの伊藤匠叡王、これを追い返し自陣に厚みを持たせる斎藤慎太郎八段。

そこから斎藤慎太郎八段も、敵陣に飛車を打ち込み香車を拾い竜を作りました。

下段にプレッシャーを掛けたのち、相手玉の玉頭に狙いを定め歩を叩きます。

伊藤匠叡王も馬を2枚作って攻防に効かせますが、斎藤慎太郎八段の田楽刺しを決められピンチ。

だが、馬を一枚切って対応した受けが見事で、斎藤慎太郎八段の王手ラッシュが続くもあと一歩のところでつかまり切れません。

反撃ののろしをあげた伊藤匠叡王、AIでは詰み筋が発生していた瞬間反撃にでます。

6筋の攻撃から清算し相手玉を裸にしてからが見事でした。

超手数の詰み筋を見事読み切り、詰将棋が得意な斎藤慎太郎八段のお株を奪う、長るような手筋で相手玉を追い詰めました。

時刻は19時38分、罪を認めた斎藤慎太郎八段が投了、伊藤匠叡王が勝利し叡王初防衛となりました。

まさにタイトル戦といった様相で今シリーズは進みました。

一進一退の攻防戦の後、劇的な幕切れで終わった叡王戦、見応え十分でした。

伊藤匠叡王は、藤井聡太七冠みたいな圧倒的感はまだありませんが、後手番での力強さは王者の風格と言っても過言ではありません。

このタイトル防衛は、またひとつ王者として大きく成長させることでしょう。

対する斎藤慎太郎八段は、あと一歩のところで2度目のタイトルを逸した感じでした。

5局すべて良い内容で、悲観することはないのですが勝負の世界、負けは負けとご本人もわかってらっしゃるはず。

また大きくなって、タイトル戦に挑戦する姿を見たいですね。

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