2024年4月20日に第9期叡王戦五番勝負第二局が、アパホテル&リゾート佳水郷(石川県)で行われました。
開幕局を先手番で快勝した藤井聡太叡王。幸先よく勝利しここも勝てば早くも防衛に王手を掛けます。
伊藤匠七段は、意地でも勝利し勝ち星をタイにしたいところ。注目の一番です。
第9期叡王戦五番勝負第二局|アパホテル&リゾート佳水郷(石川県)での将棋対局
伊藤匠七段の先手番で始まった第二局。戦型は角換わりになりましたが、藤井聡太叡王はいわゆる「3三金型」という戦型にします。
昔は3三に金を配置するのは悪いとされていましたが、近年は見直されてトップ棋士が採用しています。果たしてこれが吉と出るか凶と出るか注目されます。
藤井聡太叡王は6筋に銀を腰掛け7筋から仕掛けます。
藤井飛車が4筋に移動した際、飛車香両取りも狙えた場面で、敢えて狙わず馬を作る志向の8三角打ちの伊藤匠七段。ここで昼食となります。
昼食メニュー
藤井聡太叡王「石川炙り寿司と小松うどん(冷)、加賀棒茶(ホット)」
伊藤匠七段 「アパ社長カレースペシャル~能登豚オリジナルミルフィーユカツと春野菜~、アイスティー」
これは断然「アパ社長カレー」が気になります!
昼食後再開され伊藤匠七段は金取りの防御策として7三に桂跳ねし、後の攻撃に備える攻防の妙手。
ここから伊藤匠七段の中盤の指し回しが冴えました。
藤井聡太叡王の飛車を狙うべく銀打ちで牽制。
藤井聡太叡王が飛車を逃がしているところで左辺の桂馬を捌き、金を狙い撃ちし攻撃に厚みをかけました。
しかし藤井聡太叡王」も角打ちから4筋への攻めを見せ反撃に出ます。
中盤のねじり合いの中、伊藤匠七段が少しずつ相手玉へ迫っていきます。
自分の飛車を取らせても攻めを早める策が功を奏し、藤井玉を追い込みます。
80手目、藤井聡太叡王は6七に銀打ちで詰めろをかけ、下駄を預けます。
ここから、伊藤匠七段が間違えずに玉を追い詰め、藤井聡太叡王」の投了。
伊藤匠七段の勝利となりました。
伊藤匠七段にとって待望の勝利。藤井聡太叡王からの初勝利は大きな価値です。
1勝1敗に持ち込んだのも大きいですが、この勝利はシリーズを左右する重要な一局となったに違いありません。
第三局は楽しみすぎます!