2025年5月29~30日に第83期名人戦7番勝負第五局が、ホテル山水(茨城県)で行われました。
第四局で永瀬拓矢九段が勝利し、藤井聡太名人3勝、永瀬拓矢九段1勝となって迎える第五局。相変わらず藤井聡太名人が防衛王手がかかるのは変わらず、永瀬拓矢九段はあとがない状態が続いています。
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第83期名人戦7番勝負第五局|ホテル山水(茨城県)での将棋対局
永瀬拓矢九段の先手番で始まりました本局、永瀬拓矢九段が角換わり腰掛け銀の趣向。
角換わりに応じた藤井聡太名人ですが、右玉に構える工夫で対抗します。
バランスを保った指しまわしで永瀬拓矢九段の研究がぶつけられない展開となりました。
一日目昼食メニュー
藤井聡太名人「古河名物 甘露煮物語、古河市お茶農家のさしま茶」
永瀬拓矢九段「勝利の紅白うな重、こがくらふとあいす&(ミルク、いちご)、まんまるメロンソーダ、ももかのじぃじが作った古河の味」
永瀬拓矢九段のメニューすごいですね。しっかり食べる感出てます。
均衡が保たれたまま二日目に突入するも、先手の永瀬拓矢九段が思うように仕掛けられず、第四局同様千日手となり指し直しとなりました。
先手番で指し直しとなった藤井聡太名人、角換わり腰掛け銀を採用。
3三金での角交換で対応した永瀬拓矢九段、銀冠を構築し2筋の飛車に対して手厚く受けます。
第二局と似た流れになるところを、銀の配置を変化させたのは永瀬拓矢九段。
後手番角換わりの研究をぶつけてるところでしょうか。
二日目午後のおやつ
藤井聡太名人「豆大福、いちごの森のいちごスムージー」
永瀬拓矢九段「いちごの森のいちごスムージー2個」
やはり永瀬拓矢九段のドリンク2個以上はマストです。
藤井聡太名人の放った自陣角が、やや足を引っ張る感じになり永瀬拓矢九段の模様が良くなってきて、前局と同じ流れになるかと思いました。
お互い持ち時間を使い切るあたりで、と金を作って攻撃の起点ができた藤井聡太名人。
押され気味の流れを追い風に変えます。
永瀬拓矢九段も敵玉の玉頭に狙いを定め猛攻を仕掛けますが、あと一手のところで届きません。
自玉の詰みなしを見切って、敵陣に放った角打ちからの寄せは絶品でした。
最後は永瀬拓矢九段が自玉の詰みを認め投了、171手の超手数を制した藤井聡太名人が防衛を果たしました。
この名人戦、終わってみれば4勝1敗と圧倒的勝利ともいえる藤井聡太名人でしたが、内容は千日手も出たり苦戦を強いられたのは否めません。
永瀬拓矢九段も、序盤で1勝をもぎ取っていれば、また違ったシリーズになっていたかもしれません。
とはいえ、いつものように最後に勝利をつかみ取る藤井聡太名人の終盤力が光ったタイトル戦と言っても良いでしょう。
名人戦の挑戦者はA級1位の方となります。
A級順位戦の同行を見守って、誰が来年の挑戦者になるかを楽しみましょう。