2024年5月8~9日に第82期名人戦七番勝負第三局が、羽田空港第1ターミナル(東京都)で行われました。
第二局も藤井聡太名人の勝利で2連勝となった名人戦シリーズ。ここを買って防衛王手を掛けるのか、はたまた豊島将之九段が勝利し混沌としたシリーズに持っていけるのか?注目があつまる第三局は成田空港での一局となりました。
第82期名人戦七番勝負第三局|羽田空港第1ターミナル(東京都)での将棋対局
藤井聡太名人の先手番で始まった第三局。羽田空港での対局という珍しい場所での一番となった本局、豊島将之九段は角道を閉じて、対角換わり対策を今回も実行します。
雁木模様の豊島将之九段に対し、藤井聡太名人は飛車を3筋に展開する「袖飛車」を思わせながら、2筋に戻る誘導作戦。序盤からお互い仕掛け合います。
1日目昼食
藤井聡太名人「アンガスビーフステーキとハンバーグランチとウーロン茶」
豊島将之九段「握り寿司盛り合わせと温かい蕎麦」
X 朝日新聞将棋取材班 より
以外に藤井聡太名人はボリュームあるメニューを選んでいます。
角交換になったあと、藤井聡太名人は「棒銀」で攻勢を仕掛けます。
豊島玉が消極的な指し回しになり、2筋の攻撃が厳しいです。
藤井聡太名人の1筋の角打ちから攻撃が炸裂し竜を作ることに成功。
この竜が躍動し、藤井曲線のごとく優位を築いていきました。
二日目午前のおやつ
藤井聡太名人「チーズテリーヌ」
豊島将之九段「フルーツ盛り合わせ」
羽田空港公式サイト より
豊島将之九段も8一の桂跳ねで打開を試みますが、8筋の攻撃の核である飛車をいじめられ、ついに核取りに成功し、これ以上の反撃ができないと見た豊島将之九段が17字43分に投了。
藤井聡太名人の勝利となりました。
これで今シリーズ藤井聡太名人の3連勝となりました。
今回も先手番での盤石な指し回しが光った棋譜となり、付け入るスキが無いと思わせる藤井聡太名人。
豊島将之九段もカド番となりましたが、なんとしてでも一矢報いたい気持ちがうかがえます。
第四局で本シリーズの決着となるか、踏みとどまるか注目されます。