2025年4月9~10日に第83期名人戦7番勝負第一局が、ホテル椿山荘東京(東京都)で行われました。
藤井聡太名人に挑むのは、A級順位戦での1位決定戦で佐藤天彦九段に勝利した永瀬拓矢九段です。
高くそびえ立つ藤井聡太名人という壁を永瀬拓矢九段はどのような研究をぶつけてくるでしょうか。
第83期名人戦7番勝負第一局|ホテル椿山荘東京(東京都)での将棋対局
永瀬拓矢九段の先手番で始まりました本局、戦型は角換わり腰掛け銀となりました。
先手有利とされる角換わりを採用した永瀬拓矢九段と、これを迎え撃つ藤井聡太名人。
研究が進む角換わりなので、指し手はお互い早く進みます。
互いの工夫が試される戦型でどちらが先に動くか注目されます。
一日目昼食メニュー
藤井聡太名人「ザ・ビストロ特性カレーライス(ビーフ)、ウーロン茶」
永瀬拓矢九段「にぎり寿司盛り合わせ、ショートケーキフルーツ添え」
毎日新聞より
お二方共、椿山荘ならではの豪華な昼食です。
前例から外したのは藤井聡太名人からでした。先手有利の角換わりを後手から外すのは常套手段ですが、後手でも強い名人から志向を変えて永瀬拓矢九段は長考に入ります。
9八に歩を叩く手が構想外で、ここから流れが藤井聡太名人に傾き始めます。
永瀬拓矢九段も成り銀から相手玉に襲い掛かりますが、藤井聡太名人の玉頭攻めが厳しいです。
二日目午後のおやつ
藤井聡太名人「抹茶葛餅×抹茶アイス 季節のフルーツ添え」
永瀬拓矢九段「スムージー2種(オオサカミックス、バナナジュース)」
毎日新聞より
オオサカミックスとは4種類のフルーツを牛乳でミックスしたジュースだそうです。
自陣の安全を確保してからの藤井聡太名人の寄せが圧巻でした。
解説の棋士の先生も見えなかった30手以上かかる詰みを読んでいたのです。
桂馬と金のタダ捨てから始まる寄せで、永瀬玉もあれよあれよと逃げきれそうに見えましたが、桂馬の連続打ちからの角引きで勝負あり。
永瀬拓矢九段の投了、藤井聡太名人の勝利となりました。
お互い手の内がわかっている同士での一局は、研究のぶつけあいで定跡を外してからが勝負になりますが、今回は藤井聡太名人の趣向が見事で永瀬拓矢九段に良い将棋を指させませんでした。
開幕局は藤井聡太名人の勝利となりましたが、まだシリーズ始まったばかり。
白熱する勝負が今後も待ち構えていると思うと胸躍ります。